社会事業史学会前会長挨拶

会長退任にあたって

2007年度から高島進会長のあとを受けて会長を務めさせていただき、瞬く間に2期8年が経ちました。この間、時代状況にも社会福祉の動向にも激しい変化があり、社会福祉の歴史研究のもつ意味を切実に感じながら、吉田久一先生、一番ヶ瀬康子先生、高島先生をはじめ、学会を設立された方々の福祉と平和への思いと姿勢をいつも思い返しておりました。

私に与えられた役割は、第1に学会創設の原点と精神を確認し、今日的に科学的研究を発展させること。第2に学会改組からの歩みを引継いで、組織を整備し確立すること。第3に会員の裾野を広げて研究活動を活発にし、隣接領域との関係や国際交流も含めて研究の発展をめざすこと、と考えてきました。何分にも力不足のため十分な働きが出来ず、ご迷惑も多々おかけしたことと思いますが、皆で力を合わせて学会としての社会的働きを推し進めたいと願って取り組んでまいりました。

会長在任の間、宇都榮子事務局長、西﨑みどり事務局長はじめ、事務局、理事・監事、各委員会、大会開催にあたってお世話いただいた方々、そして会員の皆様方のお支えによって学会活動を維持することができましたことを、心より感謝申し上げます。

今回、会長を退任させていただきましたが、あと1期理事として残ることになりました。今後とも、どうぞよろしくお願い申し上げます。来年には東日本大震災5年にあたり石巻での大会も実現します。
大友昌子会長、金子光一事務局長の下で、本学会が、社会福祉と研究における「羅針盤」、「灯台」としての役割を担い、「地の塩」のような働きをもって、ますます発展することを願っております。

2015年5月10日
永岡 正己