第二回合同シンポジウム「吉田久一史学の継承と展開」ご案内

(趣旨説明)
この度、日本仏教社会福祉学会、社会事業史学会および日本近代仏教史研究会は、2016年に行った共同シンポジウムに続く第2回目の共同シンポジウム「吉田久一史学の継承と展開」を開催いたします。
第1回のシンポジウムでは、「吉田久一の歴史研究を問う―社会福祉史と近代仏教史の立場から―」というテーマを掲げ、社会福祉史と近代仏教史における吉田久一の研究の位置づけ、その学術的可能性について検討を重ねました。吉田の研究が形成された時代的背景は第二次世界大戦をはさんで、戦前、戦中、戦後の時期に当たります。吉田の研究の背景には母親の篤い仏教信仰や吉田が学んだ大正大学での仏教福祉の先達からの影響、また自身のセツルメント活動や沖縄戦の従軍体験等があることが明らかになったと思います。
近代仏教史の方でみますと、『日本近代仏教史研究』(1959年)『日本近代仏教社会史研究』(1964年)が研究史の金字塔としてありますが、それ以降の吉田は社会事業史の研究に軸足を置いたので、直接に吉田から近代仏教史を習った継承者は現実にはいません。そのために初期の書物を読み解き、吉田の可能性を引き出すという手法をとらざるをえないという事情があります。それに対して社会事業史では、社会事業史研究会の発足以降、吉田の謦咳に接して間接・直接に指導をうけた研究者は多くおり、一番ヶ瀬康子、高島進、池田敬正などの吉田と同時代の研究者との相互連関も重要な論点になることが確かめられました。
マルクス主義の段階論を踏まえ理論的な指向性を持ちながらも、膨大な史料を収集し、それをまとめて通史を描き、未開拓の分野を切り開くところに吉田久一の学術の真骨頂はあったように思われます。この第2回シンポジウムでは、「吉田久一史学」という言葉をあえて使い、吉田久一史学が蒔いた学術的成果を検証したいと考えます。今のわたしたちにとって吉田久一史学から何を継承できるのか、継承できるものを携えて、わたしたちの学問はどこに行こうとしているのか。吉田久一史学を振り返りながら、学問の未来を語る機会にしたいと思っております。
学術上の分野を越えた試みに、多くのみなさまがご参集くださり、議論の輪のなかに参加していただくことをお願いするしだいです。
(日本仏教社会福祉学会・社会事業史学会・日本近代仏教史研究会共催)

テーマ:「吉田久一史学の継承と展開」
開催日時:2018年11月24日(土)
開催場所:淑徳大学千葉キャンパス 淑水記念館(1号館)2階多目的室
〒260-8701 千葉市中央区大巌寺町200 長谷川仏教文化研究所

プログラム
13:00~【司会】永岡正己(日本福祉大学)、林淳(愛知学院大学)
開会の挨拶 長谷川匡俊(淑徳大学)
趣旨説明  林淳(愛知学院大学)
13:10~13:45
宮城洋一郎(種智院大学)「吉田久一氏の仏教福祉研究―古代・中世を中心に―」
13:45~14:20
碧海寿広(龍谷大学アジア仏教文化センター)「清澤満之と吉田久一」
14:20~14:55
江連崇(名寄市立大学)「監獄教誨からみる吉田史学の『福祉と宗教』」

休憩時間(14:55~15:10)

15:10~15:45
岩崎晋也(法政大学) 「吉田久一による社会福祉理論史研究について」
15:45~16:20
池田智文(ノートルダム女学院中学高等学校)「戦後日本史学と吉田久一」
16:20~16:50
コメント1 石井洗二(四国学院大学)16:20-16:35
コメント2 岡田正彦(天理大学)  16:35-16:50
16:50~17:30 全体討論
17:40~19:00 懇親会

申込み方法
●参加費(シンポジウム無料、懇親会1500円)
●参加にあたっては会員、非会員にかかわらず、メールによる事前参加申込みをお願いします。
●お名前、ご所属を明記して、シンポジウム及び懇親会への参加・不参加については、下記の社会事業史学会担当大友宛に10月24日(水)までにお申込みください。なお、当日参加も可能です。メールの件名は「吉田シンポ」とお書きください。懇親会はシンポジウム会場の隣の教室で行います。
●社会事業史学会のホームページでもご案内しています。

【連絡先】社会事業史学会「吉田シンポ」担当、大友昌子宛
メールアドレス:otomo[at]mx4.nns.ne.jp メールアドレスの[at]は@に書き直してください。