戦後70年にあたっての社会事業史学会の声明 (2015/5/10)

戦後70年、日本に生きる人々は、民主主義、基本的人権の尊重、平和主義を基本とする日本国憲法にもとづき、一人ひとりの生存権を保障するのみならず、あらゆる差別を排除し、世界中の人々と平和的に共存する道を希求し、実現しようと努めてきました。この弛まない努力によって今日の福祉社会が存在しています。

社会事業史学会は、このような歴史的事実をふまえ、社会と社会福祉の科学的認識にもとづいて歴史の研究を高め、民主主義による社会福祉の発展をめざしてきました。私たち社会福祉の歴史研究を行う者は、これまでの社会福祉の発展には、人々の生活の苦闘と、共に生きるための努力と連帯があったこと、そして福祉と平和は一つであることを心に刻みます。

社会事業史学会は、社会福祉の歴史に向き合うものとして、人々の生活の現実に根ざした深い歴史認識を共有することを求めます。すべての個人の尊厳を保持し、先人たちが苦難の中から築いてきた日本国憲法の精神にもとづき、平和と非戦の思想を守り、歴史的事実に真摯に向き合うことを求めます。そして、人権、民主主義、平和の普遍的な価値が守られ、日本社会と社会福祉がさらなる発展を遂げることを願ってやみません。

2015年5月10日
社会事業史学会
会長 永岡 正己

「社会事業史学会声明」が採択されました。

社会事業史学会2015年度総会において下記の声明が採択されましたのでお知らせいたします。

戦後70年にあたっての社会事業史学会の声明

戦後70年、日本に生きる人々は、民主主義、基本的人権の尊重、平和主義を基本とする日本国憲法にもとづき、一人ひとりの生存権を保障するのみならず、あらゆる差別を排除し、世界中の人々と平和的に共存する道を希求し、実現しようと努めてきました。この弛まない努力によって今日の福祉社会が存在しています。

社会事業史学会は、このような歴史的事実をふまえ、社会と社会福祉の科学的認識にもとづいて歴史の研究を高め、民主主義による社会福祉の発展をめざしてきました。私たち社会福祉の歴史研究を行う者は、これまでの社会福祉の発展には、人々の生活の苦闘と、共に生きるための努力と連帯があったこと、そして福祉と平和は一つであることを心に刻みます。

社会事業史学会は、社会福祉の歴史に向き合うものとして、人々の生活の現実に根ざした深い歴史認識を共有することを求めます。すべての個人の尊厳を保持し、先人たちが苦難の中から築いてきた日本国憲法の精神にもとづき、平和と非戦の思想を守り、歴史的事実に真摯に向き合うことを求めます。そして、人権、民主主義、平和の普遍的な価値が守られ、日本社会と社会福祉がさらなる発展を遂げることを願ってやみません。

2015年5月10日
社会事業史学会会長 永岡 正己

社会事業史学会前会長挨拶

会長退任にあたって

2007年度から高島進会長のあとを受けて会長を務めさせていただき、瞬く間に2期8年が経ちました。この間、時代状況にも社会福祉の動向にも激しい変化があり、社会福祉の歴史研究のもつ意味を切実に感じながら、吉田久一先生、一番ヶ瀬康子先生、高島先生をはじめ、学会を設立された方々の福祉と平和への思いと姿勢をいつも思い返しておりました。

私に与えられた役割は、第1に学会創設の原点と精神を確認し、今日的に科学的研究を発展させること。第2に学会改組からの歩みを引継いで、組織を整備し確立すること。第3に会員の裾野を広げて研究活動を活発にし、隣接領域との関係や国際交流も含めて研究の発展をめざすこと、と考えてきました。何分にも力不足のため十分な働きが出来ず、ご迷惑も多々おかけしたことと思いますが、皆で力を合わせて学会としての社会的働きを推し進めたいと願って取り組んでまいりました。

会長在任の間、宇都榮子事務局長、西﨑みどり事務局長はじめ、事務局、理事・監事、各委員会、大会開催にあたってお世話いただいた方々、そして会員の皆様方のお支えによって学会活動を維持することができましたことを、心より感謝申し上げます。

今回、会長を退任させていただきましたが、あと1期理事として残ることになりました。今後とも、どうぞよろしくお願い申し上げます。来年には東日本大震災5年にあたり石巻での大会も実現します。
大友昌子会長、金子光一事務局長の下で、本学会が、社会福祉と研究における「羅針盤」、「灯台」としての役割を担い、「地の塩」のような働きをもって、ますます発展することを願っております。

2015年5月10日
永岡 正己

「社会事業史学会第43回大会」が終了いたしました。

第43回大会が、2015年5月9日(土)と10日(日)の2日間にわたり、愛知県立大学長久手キャンパスにて開催されました。今回の大会の参加者数は、事前申込み者102人(会員88人・非会員14人)、当日申込み者64人(会員32人・非会員32人、懇親会のみ参加含む)、総数166人(うち懇親会参加者76人)でした。多くの会員にご参加いただき、盛況のうちに無事終了することができました。ありがとうございました。

なお、総会において新会長・理事・監事が承認されました。詳細は社会事業史学会ニュースレターNo.26をご参照ください。
ホームページは宇都宮が担当します。

第47号(2015年3月) 3,000円

巻頭言

社会福祉学における歴史教育の意味
・・・金子 光一

投稿論文

私立神都訓盲院(1919-1948)の各種学校としての教育的・社会事業的意義
・・・岡 典子・中村 満紀男
福田会育児院の里親委託制度における里子取扱委員の役割と機能
・・・菅田 理一
東京都・知的障害者の都外施設の歴史的経緯の概観―美濃部・鈴木都政下の都外施設政策転換過程を通して―
・・・尾形 珠代

史資料紹介

関東大震災と社会事業団体・施設―被災状況と震災直後の活動/社会局調査の内容―
・・・寺脇 隆夫

書評

川上裕子著(2013)『日本における保健婦事業の成立と展開―戦前・戦中期を中心に―』
・・・駒松 仁子

連載・私の研究史

私の研究史―地域福祉を問い続けて―
・・・田端 光美

連載・アーカイブ紹介⑧

京都府立盲学校資料室
・・・岸 博実・野口 武悟

小倉譲二先生への追悼
・・・今井 小の実・加藤 博史・永岡 正己・室田 保夫
故・吉田すみ様のご逝去と社会事業史学会へのご遺贈について
・・・会長 永岡正己

第46号(2014年9月) 3,000円

巻頭言

長崎学会を終えて
・・・津曲 裕次

特集論文

福祉史から学ぶ宗教性の役割―社会福祉課題に宗教性をどう活かすか―
・・・加藤 博史

キリスト教福祉実践史
・・・杉山 博昭

仏教福祉の歴史的課題―近代真宗教団の実践を通して―
・・・菊池 正治

石井亮一・筆子の信仰と実践―「人の人たる神聖」「人の人たる人権」「白痴」―
・・・河尾 豊司

鈴木義男の思想と実践から
・・・清水 まり子

投稿論文

戦後日本のソーシャル・アクション研究―近代社会改良運動との関係性―
・・・渡邊 かおり

書評

高野聡子著『川田貞次郎の「教育的治療学」の体系化とその教育的・保護的性格に関する研究―小田原家庭学園における着想から藤倉学園における実践まで』
・・・蒲生 俊宏

中嶌洋著『日本における在宅介護福祉職形成史研究』
・・・山田 知子

窪田・田代・林 三先生への追悼

窪田暁子先生・・・石川 到覚・新田 さやか
田代国次郎先生・・・矢上 克己・菊池 義昭
林信明先生 ・・・愼 英弘