社会事業史学会50周年記念論文集公募のお知らせ
社会事業史学会50周年記念論文集刊行委員会
タイトル:『戦後 社会福祉の歴史研究と方法――継承・展開・創造』
公募期間:2020年11月10日―2020年12月10日
詳細は、下記をご覧ください。
1.趣旨:
1973年に発足した社会事業史学会は研究会の時期を経て、2022年に50周年を迎えます。本学会理事監事会は、本学会創設50周年を記念し、本学会の社会的意義や意味をふまえて、研究成果とその研究方法の一層の質的向上を目指して、記念論文集を企画しました。
中堅、若手の会員の皆様はもとより、ベテランの方々も含めて、全会員からの公募により、論文を募集しますので、この企画への結集とご協力とをお願いする次第です。
現在、我々の学会の歴史研究は、社会事業史/社会福祉史/福祉史などの呼称で呼ばれていますが、いずれもいまだ決着をみる段階にはありません。この論争と決着は、期待とともに未来に託して、本書の書名を『戦後 社会福祉の歴史研究と方法――継承・展開・創造』(仮題)としました。
本書の企画の要点は、下記の通りです。
1. 本書は、戦後社会福祉の歴史研究の歩みを、「継承」「展開」「創造」のカテゴリーで構成します。
2.第1部は、戦後社会福祉歴史研究の諸成果を充分に熟知し、継承と発展を図るために設定しました。第1部でも研究方法に着目しつつ論述して頂き、そのうえで、執筆者自身の研究について、その対象と研究方法を論じて頂きます。
3.第2部は、戦後社会福祉歴史研究の多様な展開をふり返り、対象と研究方法を論じることで各領域を耕して頂き、そのうえで、執筆者自身の研究について、その対象と研究方法を論じて頂きます。
4.第3部は、戦後社会福祉歴史研究をめぐる近年の新たな視点や潮流を把握し、対象と研究方法を論じることで、社会福祉の歴史研究の新たな可能性について論考し、そのうえで、執筆者自身の研究について、その対象と研究方法を論じて頂きます。
5.具体的には、各投稿者の独創性や研究視点、研究方法を尊重しますが、論述にあたり以下の点を参考にしてください。
【執筆ポイント】
① 戦後の各当該領域の先行研究のふり返りと評価、とくに研究対象との関係で研究方法に着目しつつ論述します。なお、全体の2分の1から3分の2の分量を想定しています。
② 自らの研究対象と研究方法の明確化が焦点となる論述です。想定の全体の2分の1から3分の1は従来の研究の何を継承し、何を取りこむか、そして何を創り出すか、その可能性も含めての論述です。研究者自らが影響を受けた歴史学や社会科学、人文科学への言及も重要です。これは福祉領域とは限りません。例えば、戦後歴史学への影響は圧倒的に講座派マルクス主義とヴェーバー及びこれを日本で咀嚼した丸山真男や大塚久雄でした。E.H.カーやフーコーをあげる方もいます。もちろん吉田久一や池田敬正、その他の福祉領域の先達の影響もあると思います。
③ 第3部では、先行研究例がないか、少数である(か、これからの研究方法論の展開である領域)とも想定されます。相似た隣接領域の研究例をあげることも、1つの方法です。ここで取りあげる研究視点とその方法によって、社会福祉歴史研究にどのような新たな光をあてることができるのか、また、どのように有効であるのかを論述することが考えられます。
2.企画の概要
(1) タイトル:『戦後 社会福祉の歴史研究と方法――継承・展開・創造』(仮題)
(2) 概要:本書刊行に際し、キーワードは<研究方法の明確化>とし、参考文献として学会機関
誌『社会事業史研究』を基本とします。
(3) 刊行主体:社会事業史学会50周年記念論文集刊行委員会 (*本学会内組織)
(4) 出版社:未定
(5) 出版時期:2022年10月
(6) 装丁:ペーパーバックで2~4分冊
(7) 字数:書き得る分量に差異があることが想定されますので、字数を以下のように設定します。
第1部――20,000字(400字50枚)以内
第2部――16,000~20,000字(400字40枚~50枚)程度
第3部――10,000~16,000字(400字25枚~40枚)程度
(8) 費用概算:本著は、およそ論文30~75本で構成され、A5版310頁の2~4分冊を想定します。
本学会として買い上げを行い、買い上げに際して、吉田久一・すみ基金を活用します。1冊
3,300円で2~4分冊、会員数330人(2020年11月時点)とし、2,178,000円~4,356,000円を支
出予定といたします。
(9) 執筆者: 2020年4月時点におけるすべての会員による公募原稿とします。
(10)留意事項:
① 執筆締切期限を厳しくお守り頂きます。締切期限を遅れる場合は、刊行委員会の協議と判断で、 掲載を辞退していただくこともあり得ます。
② 提出原稿は、刊行委員会で査読を行い協議のうえ、刊行委員会からの修正をお願いしたり、掲載不可と判断することもあり得ます。掲載が難しい理由は、若干の見解をお示しいたします。
③ 論文は単著であることが必須条件です。
④ なお、原稿料は支払われませんが、執筆者には1冊献本いたします。また本著の著作権は社会事業史学会に属します。
⑤ 「執筆要項」などは、別途定めます。
3.公募について:本の構成のどの項目に応募するかを明記してください。
(1) 公募への応募は、2020年4月現在の正会員であることが必要です。
(2) ただし、年会費を納めていない会員は、応募資格を有しません。
(3) 若手や中堅会員の投稿も歓迎いたします。
4.公募期間、応募先、出版工程:
・ 2020年11月10日から12月10日を公募期間とします。
* 公募に際して学会HP掲載およびガリレオから全会員に個別メールを配信します。
* 応募用紙は学会HPおよび配信の添付メールにあります。
* 応募に際して記入漏れなく、テーマおよび簡単な内容等をお書きください。
* 応募先は、社会事業史学会50周年記念論文集刊行委員会:otomo※mx4.nns.ne.jp
※を@に変更してください
* 出版に際して、編集過程や校正作業において連絡をとらせていただきます。
・ 2020年12月10日:公募締切
・ 2021年10月31日:原稿締切
・ 2021年11月~2022年1月:査読期間
・ 2022年2月~2022年7月:校正作業期間
・ 2022年10月:出版
5.2021年の新理事監事会体制発足後の記念論文集刊行のすすめ方
2021年の新理事監事会体制後発足後は、現理事監事会の企画・実施内容および刊行委員会体制についてご理解いただけるよう説明するとともに、新体制下における論文集の刊行事業のすすめ方について、双方で協議したうえで進めてまいります。
6.原稿締切:2021年10月31日
原稿締め切りは、2021年10月31日厳守とし、刊行委員会による、査読期間を2021年11月から2022年1月とします。
――本の構成(例示)――
序文(刊行委員会)
第1部 継承
1 吉田社会事業史と方法論:吉田社会事業史の方法論と自分の方法論
2 池田社会福祉史と方法論:池田社会福祉史の方法論と自分の方法論
3 戦後社会福祉歴史研究の諸成果と方法論:戦後社会福祉歴史の諸方法論と自分の方法論
4 日本近現代史と社会福祉の歴史研究:日本近現代史と社会福祉の歴史研究の方法論の関係および自分の方法論
5 社会福祉の歴史研究と史料論:社会福祉の歴史研究における史料論のふり返りと展望、および自分の方法論
第2部 展開1――多様な広がり
1 思想と理論:思想・理論史研究の方法論のふり返りと展望、および自分の方法論
2 政策(法制・行財政含む):政策史研究の方法論のふり返りと展望、および自分の方法論
3 施設・機関:施設史研究の方法論のふり返りと展望、および自分の方法論
4 地域:地域史研究の方法論のふり返りと展望、および自分の方法論
5 人物:人物史研究の方法論のふり返りと展望、および自分の方法論
6 実践史:社会福祉実践史の方法論のふり返りと展望、および自分の方法論
7 領域
(1)児童:児童福祉史研究の方法論のふり返りと展望、および自分の方法論
(2)障害:障害福祉史研究の方法論のふり返りと展望、および自分の方法論
(3)高齢:高齢福祉史研究の方法論のふり返りと展望、および自分の方法論
(4)貧困:救貧法、生活保護、貧困の実態など研究の方法論のふり返りと展望、および自分の方法論
(5)衛生・医療:衛生・医療史研究の方法論のふり返りと展望、および自分の方法論
(6)司法福祉:司法福祉史研究の方法論のふり返りと展望、および自分の方法論
(7)災害:災害福祉史研究の方法論のふり返りと展望、および自分の方法論
8 運動史:社会福祉の歴史研究における運動史のふり返りと展望、および自分の方法論
9 ソーシャルワーク:ソーシャルワーク史研究の方法論のふり返りと展望、および自分の方法論
10 宗教と福祉
(1) 仏教:仏教と福祉史研究の方法論のふり返りと展望、および自分の方法論
(2) キリスト教:キリスト教と福祉史研究の方法論のふり返りと展望、および自分の方法論
(3)神道:神道と福祉史研究の方法論のふり返りと展望、および自分の方法論
11 海外
(1)イギリス:日本におけるイギリス史研究の方法論のふり返りと展望、および自分の方法論
(2)アメリカ:日本におけるアメリカ史研究の方法論のふり返りと展望、および自分の方法論
(3)ドイツ:日本におけるドイツ史研究の方法論のふり返りと展望、および自分の方法論
(4)その他の国:日本における諸外国史研究の方法論のふり返りと展望、および自分の方法論
(5)アジア:日本におけるアジア史研究の方法論のふり返りと展望、および自分の方法論
第3部 展開2――新たな潮流
1.フェミニズム・ジェンダー:日本の社会福祉歴史研究におけるフェミニズム・ジェンダー史の方法論のふり返りと展望、および自分の方法論
2.社会福祉の言説分析=社会構築主義:日本の社会福祉歴史研究における社会構築主義方法論のふり返りと展望、および自分の方法論
3.社会史:日本の社会福祉歴史研究における社会史の方法論のふり返りと展望、および自分の方法論
4.歴史社会学:近年の社会福祉歴史研究における歴史社会学の方法論と展望、および自分の方法論
5.福祉の歴史学・福祉の複合体史:日本の社会福祉歴史研究における「福祉の複合体史」の方法論のふり返りと展望、および自分の方法論
6.生存の歴史学・生存学:日本の社会福祉歴史研究における「生存の歴史学」の方法論のふり返りと展望、および自分の方法論
7.福祉原論と歴史:日本の社会福祉歴史研究における福祉原論と歴史研究の方法論のふり返りと展望、および自分の方法論