右田紀久恵女性史研究基金(出版助成)

「右田紀久恵女性史研究基金(出版助成)」規程

第1条 (目的・趣旨)

右田紀久恵女性史研究基金(出版助成)は、学会創設50周年を機に、右田紀久恵名誉会員から寄託された寄付金を基金とし、社会事業/社会福祉分野において開拓的な役割を果たした女性についての研究を奨励し、その研究成果を「出版」することを目的とする。
本基金の趣旨は、日本の各地に埋もれている社会福祉の開拓的実践に身を尽くした女性達の貴重な実践の掘り起しを行い、それを歴史的に位置づけ、社会事業史研究の意義を明示した研究に対し出版助成を行うことである。

第2条 (応募資格)

研究主体は、個人、グループのいずれも該当する。
共同研究者、単独研究者いずれも、研究対象が同一ではない場合に、継続助成を認める。
1.個人研究の場合 
原則として、応募締切日において2年以上の会員歴を有すること
2.グループ研究の場合
原則として、社会事業史研究を行う2名以上のグループを対象とし、メンバー代表者が応募締切日において2年以上の本学会会員歴を有すること。

第3条 (助成件数)

応募の中から審査によりに助成する(複数件数授与も可とする)。

第4条 (出版費助成金額)

1件あたり100万円を上限に助成する。

第5条 (応募方法)

1.「右田紀久恵女性史研究基金(出版助成)応募用紙」に必要事項を記入し、履歴書、主要業績リストを添えて提出すること。履歴書、主要業績リストの書式は任意とするが、履歴書は年齢、学歴、職歴が分かるように、主要業績リストは「図書」、「学術論文」、「その他」に分けて記載のこと。なお、グループ研究の場合は、履歴書、主要業績リストは研究代表者のみ提出すればよいものとする。
2.出版社が作成した出版費の全体予算見積書を添付すること。

第6条 (応募期間)

年度ごとに決定し、学会ホームページ及び学会ニュースレターで周知する。

第7条 (応募先)

社会事業史学会事務局(「右田紀久恵女性史研究基金(出版助成)応募」と明記のこと)

第8条 (選考方法)

選考は本学会に設置された「右田紀久恵女性史研究基金(出版助成)」審査委員会において厳正に審査を行い決定する。審査委員は毎年本学会理事会が委嘱する。

第9条 (結果発表)

選考結果は応募者全員に通知するとともに、授与者は総会において発表、助成金を授与する。また、機関誌、ニュースレター、ホームページにも授与者の氏名、研究テーマを公表する。

第10条 (刊行成果)

1.助成を受けたことを、著書の適当な箇所に明記すること。
2.本出版助成の授与者は、授与された助成費によって出版した成果を決められた期間内に本学会事務局に提出すること。
3.期限内に出版助成の趣旨にそった成果物を刊行できなかった場合には、本出版助成金授与を取り消し、助成費は基金に返還するものとする。

第11条 (管理)

基金の管理及び事務の執行は、社会事業史学会理事会がこれに当たる。
本基金は、この資金1000万円が消滅したときに、廃止する。

第12条 (その他)

1.他の刊行費助成との重複申請
同一のテーマによる刊行計画で他の刊行費出版助成(科学研究費刊行費助成金、民間団体の刊行費出版助成など)から助成を受ける場合、この助成を受けることはできない。
2.本出版助成と吉田久一研究奨励賞の同時申請
本出版助成と吉田久一研究奨励賞(刊行費助成)の両方に同時に応募することはできない。ただし、本出版助成とは異なる別の研究テーマで吉田久一研究奨励賞(刊行費助成)に応募することは差支えない。
3.過去の本出版助成金授与者の申請 
過去に本出版助成費を授与したものであっても、吉田久一研究奨励賞(刊行費助成)に応募することは可能である。

付則

この規程は、2021年5月15日より施行する。

右田紀久恵名誉会員からのお言葉

 『社会福祉実践に身を挺してきた女性達を、埋もれたままで放置してはならない』という想いが、<寄付行為>として行動化した次第です。これまで、<社会事業に生きた女性達><続:社会事業に生きた女性達>、また、地方版として<福祉に生きたなにわの女性達>が出版されましたが、その後、単著の続刊は見られません。
 しかし、戦前・戦後、開拓的・先駆的実践に生命を燃焼させた女性達の貴重な実践が、全国の各地方・地域に、そして、各会員の身近なところにも埋もれている筈です。関連の貴重な資料も、各所に残っている筈です。
 その様な実践から、普遍的な社会福祉実践の原理を学び、同時にそれを歴史形成の確実な「礎」とすることが、必要不可欠だと考えています。そして、その結果の記録こそが重要ですが、出版界の厳しい事情から、微力ながらも「出版助成」として拠金した次第です。「リスク社会の現代」「公共性が問われる社会」の原理を探求する必要性からも、彼女たちの実践が課題を提起しているはずです。
 この基金の活用が、社会事業史研究の意義を明示することにも、貢献できることを祈念しています。

                                   2021年5月15日
                                      右田 紀久恵